歯周病について①
2024年05月19日
今日は「歯周病」についてお話しします。
歯周病とは?
歯周病とは、歯を支えている組織、特に歯茎や歯槽骨が炎症を起こす病気のことです。進行すると歯を支える骨が溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。日本人の成人の多くが何らかの形で罹患している非常に一般的な病気です。
歯周病の罹患率について、日本における歯周病の罹患率は非常に高く、成人の約8割が何らかの形で歯周病に罹患していると言われています。特に30歳以上の成人では、歯周病が進行しているケースが多く見られます。
具体的なデータとしては、厚生労働省が行った調査によると、40歳以上の約70%が中等度から重度の歯周病に罹患していると報告されています。また、高齢になるほど罹患率が上がる傾向があり、65歳以上の高齢者では約80%以上が歯周病を患っているというデータもあります。
歯周病の原因は?
歯周病の主な原因は、歯と歯茎の境目にたまるプラーク(歯垢)です。プラークは細菌の塊であり、これが歯茎に炎症を引き起こします。また、喫煙、不適切な口腔ケア、遺伝的要因、ストレス、糖尿病なども歯周病のリスクを高める要因です。
歯周病の症状は?
歯周病の初期段階は「歯肉炎」と呼ばれ、歯茎が赤く腫れたり、歯磨きの際に出血しやすくなります。進行すると「歯周炎」となり、歯茎が後退し、歯が長く見えるようになります。さらに、歯のぐらつきや口臭、膿が出るなどの症状が現れます。
歯周病の検査方法は?
歯周病の検査は、歯科医院で行う歯周ポケット測定やレントゲン撮影が一般的です。歯周ポケット測定では、専用のプローブを使って歯と歯茎の間の深さを測ります。これにより、炎症の程度や骨の減少具合を把握します。
歯周病の治療方法は?
歯周病の治療は、進行度に応じて異なります。初期の歯肉炎の場合は、適切なブラッシングや歯石除去(スケーリング)で改善します。進行した歯周炎の場合は、さらに深いクリーニング(ルートプレーニング)や、場合によっては外科的な処置が必要です。これには、歯肉を切開して清掃するフラップ手術などがあります。
歯周病にならないための予防方法は?
予防の基本は、毎日の適切な口腔ケアです。正しいブラッシングとフロスの使用は欠かせません。また、定期的な歯科検診を受けることも重要です。さらに、喫煙を控え、バランスの取れた食事を心がけることも歯周病予防に役立ちます。
メインテナンスについて
治療が終わった後も、定期的なメインテナンスが非常に重要です。定期的に歯科医院でのクリーニングを受けることで、再発を防ぐことができます。また、ホームケアの指導も受け、常に良好な口腔状態を維持するようにしましょう。
歯周病は非常に一般的な病気であり、早期発見と適切なケアが非常に重要です。定期的な歯科検診を受け、予防に努めることが健康な口腔環境を維持する鍵となります。
歯ぐきの周りで気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。